白髪抜きが趣味の愛すべき妻

現在53歳の私は、20代の半ばに妻とお見合いをし、そのまま結婚。一男一女に恵まれ、人生の荒波を妻と二人、何とか乗り越えてきました。
彼女は私より4歳年下ですが、年齢差があることなど感じさせないほど、非常にしっかりとした性格をしています。私は40歳のころ、それまで勤めていた会社を退職し、司法書士として独り立ちをしたのですが、企業初期はあまり仕事の依頼が無く収入が激減したことがありますが、その時も妻の内助の功に支えられ、どうにか乗り切ることが出来ました。

本当に私には過ぎたほどの良くできた妻で、なかなか頭が上がらないんですが、そんな彼女も一つ気にしていることがある様子です。
それは、50歳が近づくに連れて増えてきた自身の白髪のこと。私の前ではいつものように泰然自若としている彼女ですが、ふと脱衣所の前を通りかかると、そこの鏡を見ながら自分の白髪を抜いている妻を時折見かけます。どうも、この「白髪抜き」が半ば趣味になってしまっているようです。
このことに気が付いたとき、私は「あのポーカーフェイスな妻も、自身の白髪を気にするとは」と驚いたものですが、考えてみれば彼女も一人の女性、自分の年齢を気にするのは当然なのでしょう。

そう考えると、長年苦労を掛けてきた妻に言いようもない愛おしさを感じている、私自身に気が付きました。独立のときも彼女がいなければ、二人の子供を抱えて生活など出来なかったでしょう。私は本当に妻に支えられて、何とかここまでやってこれたのです。
その感謝の気持ちを込めて、「今度一緒に、温泉にでも行こう」と、誘ってみようと考えています。